※沖縄・離島を除く
岩手県 陸前高田市『佐々木 眞さん』 世界三大漁場の三陸で育った『三年熟成牡蠣』 世界の三大漁港のひとつ、三陸。親潮と黒潮がぶつかり、栄養価の高い水質に恵まれたこの漁港が 今回の舞台です。今回は三陸を代表する牡蠣養殖者のひとり『佐々木眞(ささきまこと)』さんに お話しを伺ってきました。
眞さんが事業を展開する岩手県の陸前高田市は、海岸のすぐ後ろに山が連なる珍しい地形をしています。山の栄養分をたっぷり含んだ川の水が海に流れ込み、さらに地形のおかげでその栄養分が湾の中に留まってくれるのです。 この恵まれた環境で 3 年間大切に育てられた牡蠣は『三年熟成牡蠣』と呼ばれ、たっぷりと詰まった旨味や食べ応え抜群の大きさで人気を集めています。
「牡蠣の熟成期間は地域によってさまざまです。広島では 1 年が主流の地域もありますし、宮城や北海道は 2 年が主流です。 その中でも岩手、陸前高田エリアは 3 年という長さで牡蠣を “熟成” させてきた歴史があります」 穏やかな口調でそう語る眞さん。しかし牡蠣の熟成期間は長ければ長いほど、当然コストも発生してしまいます。 「牡蠣の値段は熟成期間ではなく、殻も含めたサイズによって決まります。2 年間熟成でも 3 年間熟成でも殻の大きさにあまり違いはないので、プラス 1 年間分の労力というのは市場価格へあまり反映されないのが現実です。 でも実の質は、2 年間と 3 年間では別格です。それならば時間と労力をかけてでも、旨いものをつくってやろうと。そんなシンプルな想いが、この牡蠣をつくると決めたきっかけでした」 生産者にとって市場価格は収入へ直結するもの。生産コストを減らすため、3 年熟成から 2 年熟成へとシフトしていく生産者も少なくなかったといいます。 それでも眞さんは、先祖代々続いてきた『三年熟成熟成』をやめませんでした。その根底には、こうした味への情熱が隠されていたのです。
眞さんの育てる『三年熟成牡蠣』の特徴のひとつ。それは殻にぎっしりと詰まった実の大きさ。殻を開けた時の驚きと、食べた時の満足感が魅力的です。 「牡蠣は、実が大きいからといって大味にはならないんです。むしろ食感や、火を通した時の弾力は 2 年間熟成よりも素晴らしいものへと育ってくれます」 と眞さんが語る通り、『三年熟成牡蠣』はそのプリッとした弾力ある食感も魅力のひとつ。一口食べれば、その実からお口いっぱいに磯の香りと牡蠣のエキスが広がります。まるで海そのものを食べているかのような、ミネラルと旨味が一体となった味わいを楽しむことができるのです。 その美味しさの秘密は『温湯処理』というひと手間。これは船の上で 70℃ほどの湯を沸かし、そこに牡蠣をさっと浸します。 この処理によって栄養を横取りしてしまう海藻やムール貝を除去することができ、牡蠣の実の質をより高めることができるのだといいます。 こうして一つひとつ手間暇かけて育てられた『三年熟成牡蠣』は、今も市場で高評価を獲得し続けています。
プロに聞いた一番美味い食べ方は「蒸し焼き」 そんな眞さんへ『三年熟成牡蠣』の一番美味しい食べ方を尋ねたところ、自信たっぷりに「蒸し焼きです」との回答が。 「水分量の多い牡蠣は、生食では味が濃すぎることもあります。蒸し焼きにすることで余分な水分と塩味が抜け、牡蠣本来の旨味を味わうことができるんです」その言葉通り、蒸し焼きにした牡蠣からは強いミネラル感と旨味を感じることができます。
佐藤シェフのおすすめポイント 恵比寿にある『東北イタリアン ALMA』でシェフと務める佐藤正光氏は、陸前高田市のおとなりの気仙沼市出身。彼は港町にルーツを持つひとりの料理人として『三年熟成牡蠣』の味に惚れ込み、長年眞さんと取引を続けています。 同店メニューのトップには、『三年熟成牡蠣』を使用した『東北貝の盛り合わせ』が必ずオンリスト。眞さんの牡蠣が、今日も ALMA の看板メニューを支えています。 多くの人々に愛され、三陸の海の恵みがたっぷりと詰まった『三年熟成牡蠣』。 この機会にぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
牡蠣開けナイフ+200円 生牡蠣を召し上がる際は必要となります。蒸してお食べ頂く場合、ほとんどの牡蠣は手で開けることが出来ますが、まれに殻が開かないものがございます。ご自宅にない場合は一つご購入頂くことをおすすめいたします。